『火花』から10年。又吉直樹が描く人間の業と再生『生きとるわ』発売決定

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文藝春秋は、又吉直樹の最新長編小説『生きとるわ』を2026年1月28日に刊行する。

著者は、お笑い芸人の青春を描いたデビュー作『火花』以降、『劇場』、初の長編『人間』と、一貫して「表現者の業」や「自他との摩擦」を描き続けてきた。

前作『人間』から6年ぶりとなる本作は、文芸誌「文學界」での連載中から大きな反響を呼んでいた待望の単行本化となる。

阪神優勝の夜から暗転。奈落の底に見える「生きる」真意

あかん、人生終わった……
阪神優勝の夜、僕はどうしようもないあいつと再会した。
(プレスリリースより)

物語の舞台は、阪神タイガースが優勝に沸く夜。公認会計士として堅実な生活を送る岡田は、高校時代の旧友・横井と再会する。しかし、この再会が岡田の日常を静かに、かつ決定的に狂わせていく。

横井は仲間たちから多額の借金を重ねて姿を消した、いわゆる「問題児」だった。貸した金を取り戻そうと横井を追う岡田は、やがて横領や脅迫といった行為に巻き込まれ、自らも奈落へと引きずり込まれていく。

著者が「今まで書いた小説の中で最も長く、そして、制作期間も一番かけた」と語る本作は、単なる転落劇にとどまらない。不条理な現実に直面しながらも、なお生きようとする人間の姿が、タイトルに込められた言葉とともに描かれている。

又吉直樹はこれまで、芸能活動と並行しながら、『東京百景』や『月と散文』などのエッセイ作品でも、独自の哲学的視点と静謐な文章表現を確立してきた。『生きとるわ』は、その思考の深淵と物語の力が結晶した、全448ページに及ぶ長編である。四六判、税込2,200円。

■出典
株式会社文藝春秋のプレスリリース

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