39歳の世之介が帰ってきた。吉田修一『永遠と横道世之介』文庫化

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文藝春秋から6月10日、吉田修一の人気シリーズ完結編『永遠と横道世之介』の文庫版が刊行される。

18歳から39歳へ。世之介と歩んだ20年

「横道世之介」シリーズは、長崎から上京した18歳の世之介を描いた第1作から始まる。第2作『おかえり横道世之介』でフリーターとして再出発した24歳の姿を経て、完結編となる同作では、カメラマンとして東京郊外の下宿に暮らす39歳の世之介が描かれる。

図々しくてお調子者、しかし飾らず気取らず、困った人を放っておけない。そんな世之介のまわりには、いつも他愛ない会話と温かな笑い声があふれている。ありふれていながら、かけがえのない日々の積み重ねが、丁寧に紡がれている。

著者の吉田修一は単行本刊行時に、「書き終えるのが名残惜しかった。彼と出会っていなければ、今の自分はないと思うんです」と語っている。20年以上にわたって書き続けてきた「大切な友人」の物語の幕引きは、作家自身にとっても特別なものだったことがうかがえる。

映画化も決定。シリーズの世界がさらに広がる

第1作『横道世之介』は映画化され、幅広い読者と観客に親しまれてきた。完結編となる『永遠と横道世之介』もすでに映画化が決定しており、現在プロジェクトが進行しているという。

吉田修一は、芥川賞・山本周五郎賞をはじめ数々の文学賞を受賞しているほか、近年は『国宝』の映画化でも大きな注目を集めた。そして、長い時間をかけて寄り添ってきた人物の一人が、横道世之介だといえるだろう。

翌年に訪れる死を知らずに生きる39歳の日々。その明るさと騒がしさ、何気ない会話の温度が、世之介という人物のかけがえのなさをあらためて浮かび上がらせる。

上巻924円・下巻935円(各税込)。

■出典
株式会社文藝春秋のプレスリリース

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