角田光代『対岸の彼女』が90万部突破 20年超の時を超えて再評価!

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作家デビュー35周年を迎えた角田光代の代表作『対岸の彼女』が、紙と電子を合わせて累計90万部を突破。直木賞受賞作から20年、書店員による熱いPOPと現代に響くテーマが読者の心を掴んでいる。

株式会社文藝春秋が発行する角田光代の長編小説『対岸の彼女』(文春文庫)が、2024年の文庫年間売上で第1位に輝き、5月9日現在で累計発行部数90万部を突破した。2005年に第132回直木賞を受賞して以降、多くの読者に支持されてきたが、近年はある書店員の手書きPOPが再注目のきっかけに。

注目を集めた書店員のPOP

『対岸の彼女』は、専業主婦・小夜子とベンチャー企業の女社長・葵を軸に、現代女性の多様な生き方とその間に生じる共感や違和感を丁寧に描いた物語。結婚する/しない、子どもを持つ/持たないという選択が、女性同士の関係にいかに影響を与えるのかを浮き彫りにし、20年経った今も変わらぬ共感を呼んでいる。

再注目の契機となったのは、有隣堂横浜駅西口店の書店員が2009年に作成した手書きPOP。作品への強い愛情が込められたメッセージが来店者の目を引き、15年後の2024年には同店の年間文庫売上1位を記録。このPOPは新たに文庫帯にも採用され、全国書店で展開されている。

角田光代はこれまでに多数の文学賞を受賞しており、『八日目の蝉』『紙の月』『源氏物語』訳などでも知られる。『対岸の彼女』は、まさにその作家人生を象徴する1作と言えるだろう。

◾️出典

株式会社文藝春秋プレスリリース

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