早川書房は、『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』(原題 THE TAINTED CUP)(ロバート・ジャクソン・ベネット著/桐谷知未訳)を3月18日に刊行した。

独創的な異世界で起こるミステリーを描く
ロバート・ジャクソン・ベネットは、アメリカ南部ルイジアナ州生まれのSFファンタジー小説家。2010年に「Mr.Shivers」でデビュー。シャーリイ・ジャクスン賞、英国幻想文学大賞シドニー・J・バウンズ最優秀新人賞を受賞した。
2011年には、2作目として『カンパニー・マン』を発表。アメリカ探偵作家クラブ賞ペイパーバック賞、フィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞した。同作は、早川書房から、上・下巻で文庫化。幻想的で特殊な世界観、SF技術を背景として、不可解な事件を描き、読者を物語の世界に誘う。
帝国を揺るがす事件の謎に異色のバディが挑む
辺境の地ダレタナは、周囲の海に棲息する巨大な獣リヴァイアサンの襲撃から生き残るために巨大な防壁を建設。撃退した獣の死骸を研究して得た生体改変技術により、人類の肉体も改変して対抗していた。
技術省高官の体から木が生えるという怪死事件が発生。死の原因の解明に、凄腕だが変わり者の捜査官アナと助手で記銘師ディンが挑む。記銘師とは、見たものすべてを記憶する特殊能力をもつ卓越者である。
登場人物リスト付で不安なく楽しめる
海外のファンタジー小説は、読み始める前に“登場人物の名前を覚えられるか”と躊躇する場合もあるだろう。同書には、登場人物リストが挟み込んであり、人物の名前と職業を確かめることが可能。さらに、軍の階級表や全体の地図も本の冒頭に掲載されている。
日本版の表紙のイラストは、『侵蝕列車』のカバーイラストを手掛けた富田童子。デザインは、大野リサ。深い紺色を背景に、緻密な線で描かれた木に絡んでいるガイコツが印象的。記銘師ディンの世界の雰囲気を味わえる装丁になっている。
翻訳は、桐谷知未。主な訳書にニクソン『パンデミックから何を学ぶか』、デイ『ヴィクトリア朝 病が変えた美と歴史』などがある。
四六判上製/496ページ、税込み 3,960円。電子書籍版も同時発売。

