芥川賞受賞の『東京都同情塔』が待望の文庫化

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株式会社新潮社は、九段理江(くだん りえ)による『東京都同情塔』を新潮文庫から発売した。第170回芥川龍之介賞受賞作品である。

デビューから約3年で芥川賞を受賞

著者の九段理江は、1990年埼玉生まれの小説家。2021年に『悪い音楽』で第126回文學界新人賞を受賞し、作家としてデビューする。同年発表の「Schoolgirl」が、第166回芥川龍之介賞、第35回三島由紀夫賞候補に選出される。

2023年3月には、『Schoolgirl』で第73回芸術選奨新人賞を受賞する。同年11月に、『しをかくうま』で第45回野間文芸新人賞を受賞。2024年に、『東京都同情塔』で第170回芥川龍之介賞を受賞した。受賞会見にて「全体の5%くらい生成AIの文章を使っている」という発言が話題になった。

世界中で大きな注目を集めた作品

『東京都同情塔』は、2024年の刊行当初から、イギリスでは Financial Times 「Best Books of 2025」に選出、アメリカでは The Paris Review 「Our Favorite Books of 2025」で紹介された。刊行から2年あまりで、16か国での刊行が決定している。

文庫版の特典として、「ユリイカ」(青土社)掲載の短篇「Planet Her あるいは最古のフィメールラッパー」を特別収録した。さらに、建築家・永山祐子氏との対談、建築家・青木淳氏による解説も掲載。『東京都同情塔』の世界を立体的に楽しめる一冊となっている。

現代版「バベルの塔」の建設

物語の舞台は、ザハ・ハディドの国立競技場が完成し、寛容論が浸透した日本である。建築家の牧名沙羅は、“同情されるべき人々”“ホモ・ミゼラビリス”が暮らす新時代の刑務所「シンパシータワートーキョー」のコンペに参加する。

「シンパシータワートーキョー」は、犯罪者に快適な生活を保障する。牧名は、その空虚な名称を受け入れられずに苦悩していた。人は、どこまで寛容で在らねばならないのか。
 
文庫版/224ページ、605円(税込み)。電子書籍も配信中。

■出典
株式会社新潮社のプレスリリース

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