小学館は1月27日、綿矢りさの最新作『グレタ・ニンプ』を刊行する。
2001年、『インストール』で衝撃的なデビューを飾り、19歳で『蹴りたい背中』により芥川賞を受賞してから、はや四半世紀が過ぎた。作家デビュー25周年の節目に著者が挑んだのは、綿矢ワールド全開の「妊婦コメディ」小説である。
自身の結婚、出産の経験も踏まえつつ、綿矢作品史上最もファンキーな主人公が、世の中に漂う閉塞感をぶち破る。

わきまえません、それがthis is me!
俊貴は、控えめで笑顔が可愛い由依と結婚した。が、妻は長い不妊治療の末に妊娠すると、外見・内面ともに豹変する。妻の様子がおかしい――。
妊娠をきっかけにグレた妻と混乱する夫との、笑える掛け合いが見どころの超ハイパワー・マタニティ・コメディ。
「マタニティ・ハイで豹変した由依がかっこよすぎ!」「そんな由依を受け入れる俊貴も健気で素敵」「ちょっ、やめて、電車で笑わせんといて」「読むほどに、この夫婦が好きになる」など、面白すぎて一気読みまちがいなしと多くの書店員が絶賛している。
『グレタ・ニンプ』には、2024年4月から約1年にわたり『女性セブン』で連載された表題作に加え、バレンタインデー前日の女子大生・可耶の奮闘を描く「深夜のスパチュラ」が収録されている。
綿矢がデビュー以降一貫して問い続けてきたのは、「自分であること」の切実さである。デビュー作『インストール』以来、若さ、欲望、社会的役割と個の違和のあいだを往還しながら、他者の期待から逸脱する瞬間に立ち現れる生の真実を見出してきた。
本作における由依の豹変もまた、「わきまえない」ことの肯定として描かれる。刊行に当たって綿矢りさは「“妊娠したら、羽化したい”ママだって変わるのだ!!」と、メッセージを寄せている。
妊娠という身体的変化が、ひとりの人間を別の存在へと押し出していく過程は、可笑しさの裏側に、痛切な自己獲得のドラマを孕んでいる。四六判上製、税込1,870円。


