村上春樹による6年ぶりの長編小説『街とその不確かな壁』(上・下)が、本日4月23日に新潮文庫から刊行された。著者直筆メッセージや海外での反響も注目を集めており、発売前から村上文学の新たな金字塔となることが予想されている。

株式会社新潮社は、村上春樹の長編小説『街とその不確かな壁』(上・下)を、2025年4月23日(水)に新潮文庫より発売した。著者にとって実に6年ぶりの長編であり、幻想と現実が交錯する“村上ワールド”の集大成とも言える本作は、1980年に発表した中編小説「街と、その不確かな壁」や1985年の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と連なる主題を持ち、読者を再び“謎めいた街”へと誘う。
本作では、影を持たない人々が暮らす高い壁に囲まれた謎の街を舞台に、孤独や喪失を描く。文庫化に際し、村上氏からは「小説を書くことは、自分自身を洗い直す大事なプロセス」とのメッセージが寄せられた。
カバー装画には、インドの絵本『夜の木』より神話的な木のアートを採用し、幻想性を強調。タダジュン氏の版画も章扉などに用いられ、視覚的にも物語世界へと読者をいざなう。
発売前から海外18カ国・地域で翻訳が進み、米国『ニューヨーク・タイムズ』、仏『Libres Hebdo』のランキングにも登場。日本国内でも、関連作の再注目やドラマ化、文芸誌掲載、NHK番組特集などメディア露出が続き、話題性は尽きない。
読者の想像力を刺激し続ける村上文学。今作も国内外の熱狂を集めながら、その核心に迫る静かな物語を届けてくれる。
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