オードリー若林正恭が挑む初小説『青天』。敗北し仰向けに倒れた者が見る景色とは?

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文藝春秋は、オードリー・若林正恭の初の長編小説『青天』(アオテン)を2月20日に刊行する。高校の部活動に青春のすべてをそそぎ込んだ少年の熱と、葛藤を描いた物語である。

「アオテン」は、アメリカンフットボールで使われる言葉。フィールド上で相手にぶつかられ、背中から地面に叩きつけられることを指す。倒れた視界いっぱいに広がるのは、ただ青い空だけだ。

倒れた地面から始まる、もうひとつの青春

主人公は、総大三高アメフト部に所属する「アリ」こと中村昴。万年2回戦止まりのチームで迎えた高3の引退大会で、強豪校に打ち砕かれる。

引退後、周囲が受験へと舵を切るなかで、勉強にも身が入らず、かといって別の道を選ぶ覚悟もないまま宙ぶらりんの日々が続く。自分自身の不がいなさにもがきながら、アリは再びアメフトと向き合う決意を固めてゆく。

若林正恭は、実際に日本大学第二高等学校のアメフト部に在籍していた経歴を持つ。エッセイ『社会人大学人見知り学部 卒業見込』や、第3回斎藤茂太賞に輝いた『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』など、これまでも独自の内省的な文体で多くの読者を惹きつけてきた書き手でもある。

「哲学書のようだ」スポーツ小説の枠を超えた残酷で熱い青春物語

刊行に先駆けて本作を読んだ書店員からは、試合場面の臨場感や、主人公の内面描写の深さに対して多くの反響が寄せられている。「哲学書のようだと思った」という声もあり、単なるスポーツ青春小説の枠にとどまらない奥行きがうかがえる。

何者かになりたい焦り、全力でぶつかることへの畏れと渇望。若林正恭が自身の原体験を小説という器にぶち込んだ本作は、かつて何かに懸命だった記憶を持つ読者の胸に響く一冊となるだろう。

四六判並製、304ページ、税込1,980円。電子書籍版も同時発売予定。

■出典
株式会社文藝春秋のプレスリリース

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