フーダニット(Whodunit)とは、ミステリー小説でよく用いられる用語で「誰が犯人なのか?」という意味です。
同様の用語にはいくつか種類がありますが、特に有名なのは以下の3種類でしょう。
- フーダニット(Whodunit):誰が犯人なのか?(犯人当て)
- ハウダニット(Howdunit):どのようにして犯罪が行われたのか?(トリック解明)
- ホワイダニット(Whydunit):なぜ犯罪が行われたのか?(動機の解明)
今回は、この中でも「誰が犯人なのか?」に焦点を当てたフーダニット小説について解説します。
以下記事では、ハウダニット・ホワイダニットについても解説しています。
フーダニット小説とは?
「フーダニット(Whodunit)」とは、「Who [has] done it?(誰がそれをやったのか?)」の口語的な省略形で、主に犯人当てを重視した推理小説のことを指します。
フーダニット小説の魅力は、言葉の通り、犯人が誰なのかを推理する楽しさにあります。物語の中には複数の容疑者が登場し、読者は彼らの行動や証言、提示される証拠をもとに犯人を特定していきます。
時にはミスリードが仕掛けられていたり、予想外の人物が犯人だったりと、知的なゲームの要素が強いのが特徴です。
特に「本格ミステリ」と呼ばれる作品では、論理的な手がかりの提示とともに、フェアな形で読者に犯人当ての挑戦が与えられます。
これにより、読者自身が名探偵になったかのような体験ができることが、フーダニット小説の特徴の一つといえます。
【海外文学】ハウダニット小説の代表作
1. 『そして誰もいなくなった』 – アガサ・クリスティー

フーダニット小説の金字塔とも言える作品。
孤島に招かれた10人の客が、次々と謎の死を遂げていく。彼らの間に犯人がいるのか、それとも外部の誰かの仕業なのか?
最後の一人が消えたとき、衝撃の真実が明かされる。
2. 『オリエント急行殺人事件』 – アガサ・クリスティー

密室に近い状況で起こる列車内殺人事件。
名探偵エルキュール・ポアロが乗り合わせた乗客たちの証言を分析し、巧妙に隠された犯人の正体を暴いていく。巧みなプロットと意外な結末が魅力。
2017年に映画化もされている本作品は、時代を経てもミステリー好きに愛されています。
3. 『Yの悲劇』 – エラリー・クイーン

「悲劇」4部作のうち、前作『Xの悲劇』に続く第2部として発表された本作。
舞台は、ニューヨーク州の田舎町で起こる不気味な連続殺人事件。容疑者が次々と浮かび上がる中、読者は探偵とともに犯人を推理していく。
論理的な謎解きとともに、鮮やかなどんでん返しが待っていますよ。
【日本文学】ハウダニット小説の代表作
1. 『占星術殺人事件』 – 島田荘司

日本の本格ミステリを代表する作品。密室で殺された画家と、バラバラになった六人の女性。
事件が起きてから40年後、探偵・御手洗潔が驚くべき推理で真相を解き明かす。
2. 『十角館の殺人』 – 綾辻行人

日本の新本格ミステリを代表する一作。
孤島に建つ「十角館」で起こる連続殺人事件。探偵役の視点と、事件を調査する外部の視点が交錯しながら、衝撃的な犯人像が浮かび上がる。
3. 『星降り山荘の殺人』 – 倉知淳

山荘に集まった大学の推理研究会のメンバーが、雪に閉ざされた中で次々と殺害されていく。
現場には密室や消えた凶器といった謎が散りばめられ、登場人物たちは推理を重ねるが、思わぬ真相が待ち受ける。
軽快な語り口と本格的なトリックが絶妙に融合した一作。
まとめ
「誰が犯人か?」という問いから生まれ、複雑に絡まる事実の中から1つの道筋を見つけ出す。そんなフーダニット小説は、犯人を推理する楽しさが詰まったジャンルです。
論理的に考えながら手がかりを追い、意外な真相に驚く醍醐味をぜひ味わってみてください。
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