角幡唯介『地図なき山』、登山ノンフィクションで異例の4刷決定!“極夜行”と対をなす国内冒険記

ニュース

新潮社より2024年11月に刊行された、探検家・角幡唯介による国内冒険登山ノンフィクション『地図なき山――日高山脈49日漂泊行』が、発売からわずか数カ月で4刷に突入した。現代人の感覚に揺さぶりをかける“地図を持たない旅”が、多くの読者の心を捉えている。

『地図なき山』は、文明社会から意図的に距離を置き、情報に依存しない登山に挑んだ49日間の記録。角幡唯介が日高山脈に分け入り、地図を持たずに自然と対峙する姿を描いた本作は、著者が北極を舞台にした『極夜行』と並ぶ、重要な転機となる作品だ。

書籍は登山愛好家や北海道の読者層を中心に注目を集め、発売2週間で2刷を達成。その後も朝日新聞、日経新聞、時事通信など各種メディアで取り上げられ、2025年4月には4刷が決定した。

特に話題を呼んだのが、芥川賞作家・松永K三蔵氏による書評。著者の登山行を「情報の海から抜け出す現代的挑戦」と評し、同氏が描く“バリエーション登山”との親和性が注目されている。

本作では、道なき山を前に足を止める瞬間の恐怖や、数年後に再挑戦するまでの葛藤がリアルに描かれている。検索やGPSに頼ることの多い現代において、本書は“未来の見えない旅”が持つ力を問いかける作品となっている。

登山文学の枠を超え、読む者に“生き方”を再考させるノンフィクションとして、今後さらなる広がりが期待されている。

タイトルとURLをコピーしました